先週の7月4日に行ってきたのですが、ちょっと色々…書いていいことよろしくないことを思ってるうちに気がつけば一週間が過ぎようとしていました。ネタがないから書く方向で決めたとも言う。
そんな訳で宇佐山古墳群(13号墳)の現地説明会に行ってきました。現場は近江神宮時計博物館の横、砂防工事に伴う発掘調査です。宇佐山古墳群、という名の通り、12基の古墳の存在が知られていたのですが、今回は新しく発見されたので13号墳です。
というかさ、新しく古墳が発見されたって凄くない? と結構この時点で前のめりなのですが。…そして妹(私という多趣味かつオタクな姉がいるのにびっくりする位『普通』の『リア充』)にどん引きされた訳ですが。
現場から琵琶湖を見た風景。工事のために木が伐採されてるとこんなにも見晴らしがイイ! 生憎朝からの雨(現説前には止んでた)でどんよりとした空模様ですが、晴れてたら三上山までスッキリ見えるくらいに見晴らしがイイ。
どうでもいいけど前日の豪雨+朝からの雨+気温急上昇のコンボでものっっっすごい湿度です。べったべた。これが容赦なく血圧を下げていくというか…あ…これ…貧血の前触れ……。
で、これが箱式石棺。墳丘はホントにない。つるーんとした斜面に突如として現れた四角い遺構。これはなんぞ!? と掘っていったらかまぼこ形の粘土が現れ、その下からコレが出現。…13号墳発見の瞬間ですね。
新聞にはまだここに頭蓋骨がある状態で掲載されてたけど、流石に壊れやすいので取り上げられて、その代わりにパネルが置かれています。赤色もやっぱ空気に触れて退色してる気がするなぁ…。例の頭蓋骨も展示されているのですが、なんせ大人気すぎて近寄れもしない(笑) まぁ後で良いわ…。
使われている石は花崗岩。比良山系に限らず滋賀県は回りぐるっと花崗岩だから(だから鉄が出来るらしいけどそれはまた別の話)近隣で調達したとみられる。頭に近い方が大きい石を、より平に仕上げてるけど足下は小さめの石だったり隙間が空いてたり。どうもそこから土が流入したっぽい…? 内部の、土を被ってなかった部分(頭蓋骨とその周囲の石壁)には赤色顔料(ベンガラもしくは水銀朱?)が残ってる…けど先にも書いたとおり、退色してるんじゃないかなぁ…。
この石棺、ホントに狭い。どれだけ狭いかって150cm未満で小柄(自分で言うのもなんだが)な私でも肩幅と腰幅キツいくらい。上より下の方が狭まってて、上から取ると深そうに見えるけど実際は30cmくらいしかない。
これが石棺の蓋。上から2番目の石が一番大きい。これも上2枚は平らに加工されてるけど下2枚は結構ボコボコしてる。蓋にべったり着いてる朱があちこち黒いのは酸化したからとか…。一番下の石にライン状に赤いのがついてるのは、そこが下の石と密着してた部分で土に触れてなくて残った部分。…ということは蓋を閉める前にものっっすごい量の赤色顔料を振りまいた…?
今回はまだ発掘作業も途中な所で人骨という腐りやすく壊れやすい物が出てきたということもあって、異例づくしの現説。だから赤色顔料の種類についてもまだ分析されてないし、他にも現時点ではハッキリしない事が沢山。…色々異例。…にしてもホントに梅雨時って最悪やな…。墓坑の壁に白カビが広がってたわ…。
で、噂の頭蓋骨。青年~壮年の男性で石棺や時代から推定すると身長は155センチ程度とのこと。…155であの石棺か…正直ギリギリじゃないかな。しかも男性。仰向けで手足を伸ばした状態で納められた…と資料には書いてあるけれど、正直、死後まもなくの、筋肉がついたままの状態であそこに押し込むのは相当大変だと思う。肩外すとか、骨を折るとか、或いはもがり途中で肉がそげ落ちた状態とか、いっそ白骨化したあとで改葬…でないと正直あそこには入らないんじゃないかな…。
でもって下あご(歯が2本のみ現存)他の骨がキレイに無くなってる事についてだけど、バクテリアの力って凄いよなぁ…と。1500年で人間の体がキレイさっぱり分解されて土に還るってスゴい事だよ。ああでも改葬したりしてたらホントに頚から下があったかどうかは解らないけど。
それはともかく、この歯並びの良さですよ。凄い。こんな歯並びキレイに残った出土人骨初めて見た。相当脆いらしいけど、是非またどっかでお目に掛かりたいですね。
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