先月、佐和山城遺跡の発掘調査の終了に伴う地元説明会に行ってきたのですが、その時にだけ並べられていた土製の犬の人形。これが実は凄い物なんじゃないの? という話が出たのでそれをちょっと書いてみる。
件の人形はコレ。調査終了間際に出土したらしく、新聞とかにも出てなくて、先月の説明会の日が初お披露目だったという一品。その時は特に何とも思わなくて見て、写真撮ってたんだけども、今日、ふとした事からこの話題になって、写真を見て貰ったら…実はコレ、凄いんじゃないの? という話に。
なんでも、こういう犬型土製品が出回り始めるのは戦国時代末期の大阪からで、江戸時代になると江戸で大々的に出回るらしいけれども慶長初期だと大阪以外ではほっとんど出ないらしい。去年の安土の展覧会で吉川氏館から出た犬型土製品が展示されてたらしいのだけれど、これも館の中から一品だけ出た物で、慶長時代だからこういう犬型土製品としては初期タイプのものなんだそうな。だから結構レアだってんで図録にも集合ではなくピンで載せてたらしい。
更に遡って過去の展示で動物の造像系の品物を集めた時の図録も見せて貰ったんだけど、この時は大坂城近辺から出土した犬型土製品(大阪が持ってる分)をかき集めて展示したらしい。これがまた見比べてびっくりですよ。佐和山城遺跡の犬型土製品と耳の形とか足の形がマジでそっくり。え、これ兄弟製品なんじゃね? ってくらい土の色までそっくり。吉川氏館出土のは土の色も違うし(黒っぽい)、体のフォルムも全然違うんだけど、この大阪のと佐和山のはマジでそっくり。
佐和山のは出土場所が内堀の外だし、年代も現説資料には載ってないから慶長よりも後の時代のものかも知れない。けど、佐和山城下っていう場所で、(三成時代の遺物とするなら)犬型土製品が出回り始める比較的新しい時期に、ブームの発信地である大阪と非常によく似た(共通する特徴を持つ)製品が出土したってのは…こう、興奮しませんかね(しないよ)。大阪の犬型土製品の写真と自分の写真(上のやつ)を並べて見て「これそっくりやん!」という声を出す位には私は興奮したんですけどもね…。
っていうか三成の時代の遺物だったら県下初出土品でもっと大々的に盛り上がっていいんじゃないの? という事らしい。
そんな犬型土製品は彦根城博物館で7/30から展示される予定だそうですよ。
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