「バチカン奇跡調査官 サタンの裁き」藤木稟

美しき科学者・平賀と暗号解読のエキスパート・ロベルト。天才神父コンビが新たに挑むのは、腐敗しない大預言者の死体の謎。二人は早速熱帯のソフマ共和国に飛ぶが、ロベルトのまわりで奇怪な現象が起こり始め……!?

1作目（バチカン奇跡調査官 黒の学院 (角川ホラー文庫)）をずいぶん前に単行本で読んで（出版年からするともう4年前か…）、面白かったけど単発かーと思って（その時はシリーズタイトルでもなく、文庫版にあるサブタイトルもついてなかった）たらこないだふらっと立ち入った本屋で文庫で5冊目までシリーズ化されてるのを見かけて思わず買ってしまった2冊目。
　私の中ではほぼラノベ扱いしてたんだけども…。Amazonの内容紹介に「美しい」とか「美貌の」とか書かれてるとうっかりBLものかと思ってしまうのですが今のところそういう要素はな…い…よ、うん。プラトニック。でも別にビジュアル設定はなくてもいいかなー…っていうかほぼ無視して読んでる。逆にこのビジュアル設定があるがゆえにラノベっぽく思えてしまうというか。この2冊目に出てくる（そしておそらくこの先も継続的に出てくる）ジュリア司祭も所謂「若く美貌」の人な訳で。そういうところがなんか…うーん…まぁビジュアル妄想って意味では楽しいのかなぁ…なくても話の筋にはほっとんど影響しないと思うんだけど。
角川ホラー文庫から出てきてはいるけれどもホラーっていうより…SF…ってんでもないしなぁ…ダ・ヴィンチ・コードとかと似ているような所も無きにしもあらずだけどそこまで厳密に何かモチーフがある訳ではなくて。でも作中で「奇跡」として登場する不可解な出来事にはすべて論理的な解決がつけられているのが私好みかな。そういう所は去年から今年にかけて私に一大ブームを巻き起こした三津田信三と似てる。あれもホラー要素がありつつ、事件の根幹部分には論理的な解釈・解決がつけられて、でもそれ以外の味付けとしてホラーが残ってる。…まぁ三津田信三も同じ角川ホラー文庫から死相学探偵シリーズ出てるんだけども。
面白いし一気に読んでしまったので3冊目を買いました。…この分だと年内に4冊目までは読んでしまう予感。4冊目が読み終わった頃に化野燐の新刊が出る予定だから5冊目は年明けかな。