岩瀬文庫怪談尽くし
岩瀬文庫怪談尽くし ...
入館料無料。文字資料のマイクロ写本(コピー)の数がかなり多い。
西尾口駅からのほうが近いのに何を思ったか名鉄西尾駅から歩いてしまって超汗だく。帰りは西尾口駅にしましたともさ。
平日の朝一で行ったので(とは言え11時頃)誰にも会わずに(後で小学生くらいの子が来たけど)のんびりと見られました。…とはいえ展示スペースはそんなに広くない。…むしろ狭いくらい。それでも展示方法は工夫されてて、展示室(2階)までの間の壁や柱に色々な妖怪(展示品)の話の紹介が貼ってあって、これがまた絶妙な位置というか。行きは気づかない位置だけど帰りには気づく位置とか子供の目線の高さとか…凝ってるなぁ…。あと、柱には元々模様として色んな読み物の挿絵版画がプリントされてて、それも面白かった。
常設コーナーは本の装丁の歴史。これも細かくわかりやすい説明で面白かった。
その奥の特展コーナー。一部屋だけ、展示も文字資料の挿絵部分を見せて展示している…と言ってしまえばそれまでなんだけど、興味深く楽しめたのは説明パネルが解りやすくて、選んである話もかいつまんで説明されてるのが面白いからかなぁ…本編は展示品のマイクロ写本がまとめて置いてあった(ご自由に御覧ください)んだけど、思えば私は古文書の成績が『可』だった訳で…よ、読めない…もったいない…><
仏教的な教訓を子どもに解りやすく伝えるための反面教師本という意味合い…という建前はありつつ、そういう教訓が含まれない『娯楽』本という存在というか。…というか江戸時代の人は「妖」の存在をそんなに信じてなかったらしい。妖よりも、狐や狸が人を化かす方がリアリティがあったというか。…そういえば明治前後の初期の新聞でもそういう『狐狸の類に化かされた話』が割と真剣に書かれていたのがあったような。
林羅山にしても、こういう存在を非科学的(当事に今みたいな科学の概念があったかはさておき)な、とばっさり切り捨てるのではなく妖の存在自体は認めつつ、人は理性によってその人外の存在を退けられる、という理性的な立場。…妖の存在を認めるのが理性的かというと…それはなんとも言いがたいけども。
そんな林羅山も怪談本を書いてたらしい。中国の古典怪談をまとめた本。
一箇所気になったのは、伽婢子の続編の『犬張子』っていう話。内容の抜粋はなかったんだけど(伽婢子はあったけど)、安産祈願の犬のお守りという記述があって、それって佐和山城下町とか吉川氏館跡とか大坂城下町とかで出てるあの土製の犬人形のことよね? と思って出版年を見たら元禄5年。前作の伽婢子の舞台は伊予っていう設定だから、話(の元)が出来た頃には伊予にも犬人形の文化が伝わっていたのかとか、元禄年間には江戸でも安産祈願の犬人形が一般的になってたのかなとか。そんなことを思って見てました。
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