2010年8月25日水曜日

『古代メキシコ・オルメカ文明展』京都文化博物館

 正直会期を1ヶ月勘違いしていたのはここだけの話。今月末までだとばかり思てたんよねオルメカ展。まぁ来月でもいいやと思った所で結局予定びっしり埋めてしまったので行ける日に行っとかないと。というわけで言ってきました京都文化博物館。いやー久しぶりに御池で降りたら景色変わっててアレ? 私今どっちむいてるの? 状態。中京郵便局が建て替えられたのも大きいよねあそこの通り(いつの話だ)。
 それはさておき、オルメカ展を一言で言うなら「流石ここからツアーに出る業者展だわ」って感じで。いや、悪い意味ではなく、博物館の学芸員が一から展示計画作って館の備品を使って展示するのではなく、展示台とかその他一式持ち歩く、そのためだけに組まれた展示計画(とそれをやる業者)というか。どの辺にそれが見えるかといえば、4階の展示室入り口がジャングル仕様だったり剥製が置かれてたりする事だよまずは。博物館が独自でやる展示ではこんな装飾しないよ。
 さて、展示内容ですが…既に若干うろ覚え。拓本が多かったのが印象的。そう、ステラばっか並べるよりも拓本でもいいよね、味があって。そういえばエジプト関連であまり拓本って見ないような気がする…拓本取りにくいのかな…あの掘り方。それにしてもメソアメリカ独特のデフォルメされた彫刻って凄いね。徹底して写実的に作られた水鳥の土器があるかと思えば人物はデフォルメされてる。あくまで壁画で。立体の場合はかなり写実的。
 メソアメリカといえば首を狩るというイメージが強いけど、血→ヘビ→水という思想があるから血を流す事=雨乞い的なニュアンスもあったのかなーと。農耕社会ではどこでも雨乞い儀式に水に関係する儀式をするし、日本でも雨乞いで捧げるのは馬(竜と同一視で水の神)で古くは生き馬(後に土馬)を捧げてるからやっぱり血から水を連想させてることにもなるし。あと、先にメソアメリカは立体にした時が写実的と書いたけど、特に顔がリアル。今回もいくつかおかれてたオルメカヘッドにしても、顔立ちはとても写実的。髪型とか、耳とか、そういった目鼻口以外の部分は平面彫刻だったりするけど、目鼻口の表現だけはとても肉感的。これは土偶にも言えると思う。今回は時代も場所も違うから来てなかったけど、マヤの土偶に首吊り土偶ってのがあって、これがまたリアルなんだ。縊死すると口から舌がだらんと出ると言うけれど、本当にその表現がされてるんだ。目を見開いて口から舌をはみ出させて。つまりそういう縊死の現場を実際に見た上で作られてるってことで。生死の表現がとても生々しいのもこの地域の特徴なんじゃないかな、と。ああそうだ、表情があるんだ。大概古代文明とか(マヤやアステカを古代文明とは言えないけど)の壁画やらは無表情なのが多いというか、没個性的というか。でもオルメカには表情がある。そういう意味でも生々しい気がする。
 展示はやっぱり前半に目玉を多く持って来て、後半は細かい物が多かったかな。と。土偶が全部小さいもんだから…一応拡大写真のパネルは貼られてるんだけど、それも全部が全部はられている訳ではなく…見えにくい。
 翡翠などで作られた石斧をトウモロコシに見立てて行った祭祀、というのが紹介されていたけれど、ぱっと見で縄文時代に見られる石棒の一種かと思った…いや、形状はほとんどがキレイな石斧なんだけど、たまに丸みがあったりすごいつるんとしてたから。ただ、この石斧も沢山並んでて…うーん…あんまり沢山並べられてもなぁ…未使用の(というか実用には耐えられない素材の)キレイな石斧がずらっと並んでても少なくとも私は石斧マニアじゃないからよく解らん…。
 あと、最後にちょろっとマヤ暦の解説が。…いや、正直よく解らんのだけどもね。あの2012年12月に世界が滅びるとかいう映画になった元の…というか、ニュアンスとしてはエジプトで神様が一定期間ごとに変わるのと意味合いは一緒なんじゃないのかな? その期間がエジプトのそれより随分長いだけで。別に地球崩壊とかその手の話ではないよーな。エジプトは太陽がある星座によって神様が違うから、神殿によって羊がおかれている所やら別の動物の所やらがあるのよね。確か。羊のある神殿は太陽が牡羊座にあった時に建てられたものでーとかそういう。…いつの日か北極星がベガになる日が来るのと一緒じゃなかろーか(それこそ果てしなく先の事だが)。…あれ、ベガも確か北極星候補星だよね?

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