2009年11月7日土曜日

どこのディズニー…

 明日以降行く人は朝イチで阿修羅行ってから正倉院展の方がいいよ絶対! とこれだけは力説しとく。

 朝イチ…といいつつ、現地着9時位で奈良博まで正倉院展を見に行ってきました。…まぁ予想はしてたが会期中最後の週末ということで…超混雑。私が到着した9時過ぎの時点で既に30分待ち。あーまぁ30分くらいなら。私も正倉院展は回転早いというか、次次に入れていってストップが掛かることはまずないからと思って、キトラの時よりのんびり構えてたしね。キトラの展示やったりする飛鳥資料館は狭いのもあるけど物が物で保存処理中だからってちょっとずつしか入れへんのよね…。
 10時過ぎに出て、興福寺に寄ったら阿修羅が安置されてる仮金堂の待ち時間が210分表示。

 (つд⊂)ゴシゴシ

 210分!? Σ(゜д゜lll)

 どこのディズニー? どこのUSJ? ファストパスないのブックレットは? とちょっと逃避したくなる数字が書かれていました。…3時間半ってなんぞ…。さくっと諦めて帰宅ですよ。阿修羅は23日までだし、5年後に興福寺の金堂が再建されたらどっちみちそこでも確実に見られるしね…。
 で、今年の正倉院展ですがー…うーん…あんまりコレと言って「コレは!」と思う物が今年は無かった気がする。去年はココヤシと貂のミイラが異彩を放ってたけども…今年はそういう変わり種が無かったよーな。今年の展示物が主に儀式用途の物が多かったように思うからそのせいかもしれんけども。今上天皇在位20年よりも60周年の方が豪華だったということで。
 展示品にしても、人が多いから、初出陳のと、自分がまだ見てないのだけを重点的に。花の形した器とかは過去にも見てるからあの人だかりをかき分けて見る心のゆとりはなかった…。お行儀よく並んでたんでは次次割り込まれるからもう順路も何も…部屋の順路はあっても部屋の中はもう何がなんだか。
 あ、こころもちがっかりしたのが1個だけ。合子(ごうす)や碁盤は展示されてたのに、今回碁石の展示がなかったんだ。あのもの凄い細工の細かい、鳥があしらってある碁石もあるのかなー…と思ったけど無かった(´・ω・`)
 いやーそれにしても正倉院展ってお化け展覧会だな、としみじみ思った訳ですよ。博物館って元々入場料で展覧会のコストをペイすることは出来なくて(無料招待券とか相当量出回ってるし)、図録売り上げが主な財源になるらしいのですよ。後は経営もと(県立なら県、国立なら国)からの出資金とかで運営されてるんだけれども、入場料は利益にならなくても、入館者数は評価の対象になるから人を呼ばなきゃ行けない訳で、人を呼ぼうとすると、手堅い展示は考古系だと断然、群を抜いてエジプト。大英博物館展とか。絵画とかならルーブル、ウフィッツィとかヨーロッパの美術館系が手堅い。でもこういう所から名のある品物を借りてこようとすると輸送費も掛かるし、保険も掛かる。もちろん借用料もかかる。でも人は来る。ハイリスクハイリターン。
 じゃあこの奈良博はどうなのよ、というと…お化けたる所以ですよ。正倉院宝物は国庫だから、独立行政法人とはいえ国立博物館が展示する分には借用料…かかってるとしてもごくごく少額。正倉院宝物を定期的に公開する場、ということだから名目料みたいな額なんじゃないかなぁ…。
 滋賀県だと彦根城博物館がわかりやすいかな…あそこは井伊家と彦根藩の文物を保管展示する目的で作られてるから、展示資料は基本的に自館所蔵品で、レンタル料ゼロってやつ。
 で、輸送費にしても奈良博と正倉院(宝物保管庫)は同じ敷地…というか奈良公園の中にあるから、特注の輸送車を仕立てて警察に前後挟まれて時速5キロで塑像の運搬…なんて事はしなくていい訳ですよ。輸送費も低コスト。
 で、この客の入りですよ。1日1000人単位で入館者があって、その3割が図録を買い、2割がミュージアムショップで買い物をして…すっごい黒字。確かに人件費とかはかかってるけど、正倉院展がおばけ展覧会なのはローリスク超ハイリターンだからじゃないのかな…。
 つーか奈良博の展示スペースって結構広いんよ? そこにたった66品しか並んでない訳ですよ。人が入るから隣との間をたっぷり取ってるとはいえ…人がいない状態で見ると寂しいくらい隙間開けてるんだろうなぁ…。
 あと、奈良博ならではというよりも正倉院展ならではだと思うんだけど、展示台に白い布(恐らくは絹)が敷かれてるんよね。普通の博物館では刀剣類の展示に絹は使われるんだけども…やっぱ『宝物』だから展示台には白布か…と思って見てました。…これで化繊やったらちょっと幻滅する。そこは絹だろう! や、絹…だと思うよ…? 間違っても木綿じゃないと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿