慶長四年。大谷吉勝は、父・吉継の反対を押し切り、福島正則らに襲撃された石田三成を救うために伏見へと向かった。間一髪で三成親子を救ったものの、吉勝の胸には豊臣の天下に対する不安が広がっていた。翌慶長五年。徳川家康は秀頼の名の下に上杉討伐を命令。これに憤る吉勝は、独断で蟄居中の三成のもとを訪ねる。そこで、家康を討つための三段構えの策を聞く。しかし一抹の不安を抱いた吉勝は、その足で姉の嫁ぎ先である信濃・上田へと向かった。稀代の謀略家・真田昌幸に策の成功を聞きに行くためであった…。と言うわけでこの本の主役は大谷吉勝です。大谷吉継の息子ですね。…いや、なんつーか、主役なんだから当たり前と言えば当たり前なんだけど、吉勝が超カッコいいです。…や、でもたまに主役なのに全然活躍出来ない人とかいるしね。…三成だけど(とにかく左近が目立ってた)。ああでもその本の三成は最後の7巻でものっすごい人間出来た人になってるからそういう意味では『主役待遇』だったのかも知れん。それまで見せ場ほぼゼロだっただけで。
で、吉勝なんだけど、若いだけあって親(吉継)の真意が見えずに突っ走ろうとしたり、掌の上で転がされてたりと、まだまだ青二才な感じ。でも主役だからきっとこれから成長するに違いない。…多分。秀秋との因縁(というとちょっと違うけど)もなかなかそういう切り口で書いてるのは無いから新鮮だったな。何せこの時代だと、主役に据えられる人物って結構限られてて、大谷吉勝って時点で既に『レアな切り口』なんじゃないかな…とりあえず今まで見た事は無かった。
これネタバレになるかもしれんけど、大谷吉勝キリシタン説ってのを下敷きにする意味が今の所は見えてこないんだけど、この先の伏線なのかな…? 新刊で買ってしまったから続きが気になるじゃないか…! でも既刊だったら1週間で毎日本屋に通って10冊買ったのもあるから…新刊でちまちま待ってた方がいいのかもしれん…や、でも次が出る頃にはきっと内容忘れてるんだよ私の事だから。…ハリポタのようだ。新刊出たらまず前巻読む、みたいな。
というか、こういう本読んで、『○○が超カッコイイ』とか言ってる私はゲームだけやって『○○超カッコイイ』とか言ってる女の子と別に大差無いんだ。つーか同類。虚構の人物像に対して史実完全無視でコメントしてるという点に置いてね。だってそういうもんでしょ、フィクションなんだから。テレビで水戸黄門見ながら「助さんカッコいいわー格さん男前やわー」…って言ってるのと同じ事ですよ結局は。何でそんな目くじら立てる事があるかなぁ…と思う。一緒だよ。別に全然、何も変わらない。
『戦国無双』も『戦国BASARA』も『水戸黄門』も『大岡越前』も『暴れん坊将軍』も『将軍家光隠れ旅』も『坂の上の雲』も『新撰組血風録』も…全部が全部、(歴史上の)有名人を登場人物に据えたフィクションあるいはパロディな事にかわりはないんだって。当然私が好きこのんで読むような歴史群像新書も、だ。そこにどの程度の『史実』を混ぜるかで受け手の印象は変わるかもしれないけど。たとえば『坂の上の雲』はフィクションだけど『水戸黄門』はパロディとかね。でも結局実在の人物の知名度にあやかった『創作』って点では一緒なんだから、別にゲームだけ取り上げてやり玉に挙げる意味が解らん。…当人達のモラルというか、公共の場所での云々ってのはあくまで『個人の』問題であって、ゲーム好き全体を差してどーのこーのってのはぜんっぜんお門違いだと思うんだ。…私が許容量広すぎるだけかもしれんけど。
でも、ドラマもゲームもどっちもフィクションなんだよ! って事はアピっとく。フィクションをフィクションと割切って(史実とは無関係の虚構として)楽しんでる分には別にいいじゃない、ねぇ。あ、『銭形平次』と『必殺仕事人』はあれ、オリジナルの『時代劇』だからちょっと別物。
0 件のコメント:
コメントを投稿