2010年10月11日月曜日

大津祭2010

大津祭公式キャラクター ちま吉
 滋賀県にいながらなかなか行った事がなかった大津祭に行ってきました。とは言え超絶初心者なので来年は違う見方が出来るといいなーと、今年はからくりだけにロックオンして見てきました。巡行コースはあらかじめチェックしておいたので、天孫神社の前に勢揃いしているのを見た後で裏道だーっと先回りして3つめくらいの所望場所(からくりが披露される場所)へ。
 山の通り道の信号は回ります
 祇園祭ほど広い道を通る訳ではないので、信号機ががっちょんと音を立てて(手動で)90度回ります。ネタ的に写真撮っとけばよかったなーと思いつつ。今回は写真なしです。また来年。
 最初の写真は大津祭公式キャラクターのちま吉です。ゆるキャラです。全国ゆるキャラブームの火付け役、かつそのトップに君臨するひこにゃんを要する滋賀県、このゆるキャラもクオリティ高い。超カワイイ。頭のちまきは全部で13本、大津祭の山の数と同じだそうです。着ぐるみもあるけど平面のイラストの方がカワイイ。いや、着ぐるみもカワイイんだろうけどまだ写真でしか見たことないんだちま吉。着ぐるみは動いてナンボ。写真やガワだけ見たってほんとの可愛さは解らないものですよ!(無駄に力説)
 …それはさておき、以下13基の山のからくりをざーっと、表面だけ撫でて書いてみる。大体が中国の故事にならってるものばかりなので、元ネタ知ってて見ると楽しい。逆に元ネタ知らないと(事前に配布されてる案内とか見ないと)人形動いてるー凄ーい、で終わってしまうので勿体ない…。

01 西行桜狸山
 最初の西行桜狸山(さいぎょうざくらたぬきやま)は祇園祭で言う所の長刀鉾と同じでくじとらず。
 所望は西行法師が桜の精と問答する場面。なので山の前に飾られているのは桜。西行といえば桜、に何の違和感もないのは桜の下で死にたいっていうあの歌が有名過ぎるが故の先入観なんだろうか。それとも西行と桜の関連性には特に誰も深くはつっこまないのか。
 手前の人形が西行法師、桜の精は左の小さい人形。人形は左手の木の幹が枝分かれした所からひょこっと出てきて、枝の先まで動いて右に左にくるくる回ってしゃがんだりします。勿論そのまま回れ右して元に戻ります。
02 石橋山
 今年の2番目は石橋山(しゃっきょうざん)。説明を読んでも私にはこれを自分の言葉に直して説明する事が出来ない(ってことはつまり理解できてないって事だ)から簡潔にこれだけ、「唐獅子牡丹」。
 あしらわれている花は牡丹。所望は中央の岩屋が開いて獅子が出てきて、最初は口ぱくぱくさせて獅子舞みたいな動き。その後で後ろ足を上げて左右にくるくる。最後は岩屋に戻っていきます。カワイイ。
03 孔明祈水山
 三番目は孔明祈水山(こうめいきすいざん)。諸葛孔明が魏と戦った時に「的の大軍を押し流してください」と祈って結果大勝したという…どの部分の事なのか解らないってことはつまり三国志を演技ともども通して読んでない事がバレる訳ですね。水って言えばハン城かどっかしか思いつかない所詮はゲーム脳。うろ覚えにも程が。
 奥で羽扇持ってるのが孔明。だんだん流水量が増えていく水はそれぞれ円盤がくるくる回ってる構造。
04 郭巨山
 四番目は郭巨山(かっきょやま)。祇園祭にもあったよーな気がする(やっぱりうろ覚え)。貧しい家に住む郭巨は老いた母を養うのが精一杯、そこに子供が生まれたけれど老母か子供かどちらかしか養えないという状況で、子はまた得られるが母は二度と得られないからと子供を殺そうと穴を掘ったらそこから金の釜が出てきたという話にまつわるもの。写真の角度悪いんだけども女性の奥で地面を模したからくりがくるっと回ってそこから釜が出てくる。引いている人の法被には【釜】の一文字。
05 西王母山
 五番目は西王母山(せいおうぼざん)。西王母といえば桃、という事で飾りも桃。狸の桜や唐獅子の牡丹も色合いが明るくて目を引くけど、これはほんとにどピンク。超目立つ。引いてる人の法被にはずばり【桃】の一文字。
 中央奥が西王母、手前は西王母に賀されている君。からくりは桃に絡めて桃太郎。君の左の桃の実がぱかっと割れて中から桃太郎を模した人形が出てきます。
06 月宮殿山
 六番目は月宮殿山(げっきゅうでんざん)。謡曲の「鶴亀」にまつわる所望で、皇帝が春を祝う図とのこと。引いている人の法被は確か鶴亀だったか亀一文字だったか…うろ覚え。
 中央奥が皇帝、手前の男女が頭に鶴と亀を乗せて踊っている所。一番からくりとしてはオーソドックス(あくまでからくりっていう言葉から抱くイメージとして)な印象。左右の男女が手を上下させたり向かい合ったりして踊る。

07 神功皇后山
 神功皇后山(じんぐうこうごうやま)。神功皇后が朝鮮出兵する際に鮎を釣って戦勝を占ったとする伝説にちなむ。所望は奥の岩に字が現れるという事なのだけれど…進行方向左からは見えない。来年は右前方に陣取ろうと思う…。
 神功皇后はこの朝鮮出兵の際に妊娠していて帰国後に応神天皇を出産したことから安産の山なんだそうな。この神功皇后も息長氏の出だから滋賀県(米原市)出身で滋賀県ゆかりの人物なのよね…。でもって日本書紀と古事記では朝鮮出兵した年がずれてる(内容はほぼ同一)んだけどもまぁそこまではこの山について触れる事でもないから脇に置いとく。
08 龍門滝山
 龍門滝山(りゅうもんたきやま)。所謂鯉が滝を登って龍になるという伝説を模したからくり。山の上には黄金の龍があしらわれてる。引いている人の法被は【鯉】一文字。
 所望は鯉が滝を登ろうと上下に動いて、最終的には上にしゅっと抜ける(龍になる)所まで。この鯉のからくりは18世紀半ばのもので日本最古なんだそうな。でもって見送りもゴブラン織りで重要文化財だそうで。

09 殺生石山
 殺生石山(せっしょうせきざん)。那須の殺生石、玉藻前の話をモチーフにした所望。…って殺生石という名前から狐を連想してる人って意外と少ないのか…? って見てて思った。奥の岩場に姫姿の人形があって、この顔がくるっと回って赤っぽい狐面に2回ほど変わるのだけれど、見てる人(しかも子供じゃない)が「猫ー!」って言ってたから。…いやいやいや殺生石って言えば玉藻前で狐ですよ狐。

10 湯立山
 湯立山(ゆたてやま)。山の形は出発地点でもある天孫神社を象ったものなんだとか。
 左の赤い着物の人形が楽器を演奏するんだけれども、この人形、手は人が動かしてる(というか二人羽織的な感じ)ので…まぁそりゃ動きはスムーズですよ。首の動きはどこまでが手動か解らないけど妙にくるくる動いてたから手動かなぁ…。

11 源氏山
 源氏山(げんじやま)。源氏物語の執筆をする(石山寺で執筆したという故事より)紫式部。その下の回り舞台では須磨の場面を再現したという人形が左の石山から出てきて右の石山までを動きます。大がかりなからくり時計とかには時々見られる演出だと思って貰えれば動きは一番説明しやすいかも。
 花の飾りとかはないんだけれども人形の豪華さ…とは違うな…なんていうか、これだけちょっと雰囲気が違う。他の山が中国の故事とかをモチーフにしてたりモチーフにしてる時代が古かったりする中でこれはいかにもいかにもな「王朝」な感じ。いや、殺生石山も設定はその時代なのだけれど、王朝な雰囲気の着物を着ている玉藻前は小さくてよく見えにくいからさ…。

11 猩々山
 猩々山(しょうじょうやま)。能楽の猩々から。手前の人形が酒樽から酒を救う仕草をして、後ろの猩々のが盃から酒を飲む…という一連の動作。一番最後、酒を飲み干した猩々の顔が一瞬で赤ら顔になる所を見逃さないように。これも進行方向左前からは見にくいなーと思ったけど右前からだと手前の人形がブラインドになるから…真正面から見るしかないのか…。

13 西宮蛭子山
 今年のラストは西宮蛭子山(にしのみやえびすやま)。所望はえべっさんが鯛を釣り上げる所。…とはいえ、この鯛は全部子供が手で持ってびちびちと泳がせてます。右へ左へ時に飛び跳ね(つまり投げ)つつ。でもここからが凄い。えべっさんの竿に鯛が食いつくと(食いつかせるんだけども)えべっさんが竿を上げて…右手前の人形が持っててそのタイミングで差し出す魚籠にすぽっと入るんだ。ここで一気に拍手。

 …そんな感じで今年の山の順番とざっくりした所望の内容。来年は有料観覧席を取ってみようかなーとちょっと思った。ちまきちのお弁当は持って帰って家で食べました。美味しかった! ちまき(お弁当に入ってるのは食べられるちまき)は奪われたけれども…。

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