恐怖や畏敬の対象だった妖怪が、形を与えられ、戯画や玩具の題材になり、現代では、水木しげるの登場で市民権を得、楽しむものとなった。妖怪画の歴史を絵巻から浮世絵、マンガまでたどる。兵庫県立歴史博物館と京都国際マンガミュージアムとのコラボ図録。タイトルもそうだけど、表紙がすごくインパクトがあって、面白そうだったので借りてきました(でも自分用に買おうかと結構本気で思ってる)。
冒頭に京極夏彦の文章があり、その後に先にちょっとまじめな概説が入って、そっから後はずーっと図録。これもっと収録点数増やして画像サイズ大きくして画集にしてくれたら値段倍になってもいいわ、買う。それくらい有名どころと、パロディ的なのが収録されてる。ある意味王道チョイスなのかな。
私のお気に入りは歌川広重のお菊の浮世絵。井戸の中でお皿を数えるあのお菊ね。そのお菊が割れたお皿を焼き継ぎ(江戸時代、割れた陶器はリサイクル、専門業者が割れ目に釉薬塗って焼き直してくっつける)業者に差し出してる(差し出された業者は腰を抜かしてる)絵。こういうセンス大好きだわ…!
あとはトリックアート的なの。ダリとかエッシャーとかも大好きだから、浮世絵で、かつ妖怪画でトリックアートってのもまた面白いんだ。松の枝とか波とか雪とか…が妖怪に見えるってヤツ。この本では松の枝が骸骨と磔刑に見えて、庭に降り積もった雪が骸骨に、盛り上がった波が妖怪の顔に…くらいしか無かったけど、このシリーズもっとたくさん見てみたい。
で、最後に諸星大二郎の書き下ろし漫画がついてる。『泥田坊』と『雪女』には笑った。しかし実際出たら困る…怖いわこの二大妖怪…!
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