見てきました(映画『火天の城』公式サイト)。いや、もうマジで感動した! すっごいわアレ。先に見てたウチの親父ももの凄い絶賛してたんやけど…多分感動したポイント違うよソレ、とは双方の感想を聞いたオカンの言葉。親父はどうもその職人目線で何かを作り上げる的な所に感動したらしいのだけれど…ごめん、私の感動ポイントそこじゃなかった…。
端的に言おう。
アイラブ滋賀! を公言(かつ広言・高言)する私にはものっすごく良かった。一番ぞくっと来たシーンって縄張りの後に信長が「ここが大和66州のど真ん中よ!」よ叫んだシーン。
…うん、誰もそこで感動しねぇよ、みたいなね。いや、でもホントに信長くらいなんだ。日本史の中で滋賀を政治経済の中心地にしようとして、実際良いところまでやったのは。…じゃあ明智が憎いかと言われれば…や、そんなに。明智は明智で坂本の繁栄を支えてくれた訳だから。
んで。
こっからネタバレですよ、と。
先に謝っとく、ごめん。ダメ出しばっか書くけどここに書いた以外の所は全部良かったと思って欲しい。
ざっくばらんに言うけど、正直あの娘の存在がよく解らんかった。市蔵が戦死した(と思われてた)のも戦に行く前に女に追いすがられたからだよ何のために験担いで戦前に女断ちしてると思ってんだー…と思ったのは私だけだろうか。あの娘の年齢設定がスゴく気になる…よ…まさかの十代前半か!? …あり得る…嫁入り前だしどう年増に見繕っても設定年齢~17歳…や、もっと下か。なんつーか、言動が子供っぽい…。
あと、その戦死したと思われてた市蔵が戻ってきた場面。…え、戻ってくんの!? いや、いなけりゃいないで勝手に自己完結して進んでたからいざ戻って来てもの凄く重要な所を任されて…いや、でもさっきまで自分が引っ張ってた縄は一体誰に託してそこに…。
気になったのはそこら辺くらいでした。…うん、他に突っ込むところ、ほっとんどなかった! …あ、OPでカンナ、それも現代的なカンナが使われてたんだけども…あれはイメージ映像…? 大工道具の検証もされてる…んだろうけど、少なくとも彦根城の柱とかを見るに、あのタイプのカンナは使われてなくて、全部ヤリガンナの跡で残ってるんだけども…? 作中では使われてなかったように思うんだけど…現代的なカンナ。
逆に作中で使われてたあの糸使った直線の印付けな! あれ今でもやってはるよね。…いや、私が見たのはパイプとかドラム缶切る時にああやって印付けてるのを見ただけだけども。
あと、吹き抜けの有無とか友達に聞かれたけど…天守指図に吹き抜けっぽい空間が残ってる図面は確かに残ってて、その底辺の形がいびつだから、そんないびつな形の天守って安土城の天主くらいだからその指図は安土城のモンだろうってことで…安土城の天主(指図)には吹き抜けがある…ってことだろうけど。ホントにその指図を使って作ったかどうかは解らんしねぇ…。
それより今は整備されてるけど、この20年の安土城発掘調査で解ったまっすぐに伸びる大手道とかも実写で再現されるとああなんねや…ラストシーンはマジで感動。…しかしこの感動は多分人とずれてるヨカン。
あと、欲を言うなら大工・石工だけでなく、瓦職人も入れて欲しかった。すみっこにちょっとだけ入ってたけどもね。安土城って始めて自分とこの城用に瓦作らせて、しかも金箔貼らせたりしてる訳だからさ。…しかも金箔の貼り方が『凹んでる部分』に貼り込むという手の込みよう。大坂城とかだと出っ張ってる部分に貼ってて、そっちの方が大量生産しやすいんだそうな。しゃちほこにしたってあれだけ大きいと綺麗に焼き上げるだけで大変なんだそうな…刺客のネタを詰め込むなら瓦も詰め込んで欲しかったかな…。
ついでに安土城は全焼したのか…? という疑問。焼け歪んだ瓦も出てるから焼けたのは確かだろうけど…果たして全焼? 落城して城が全焼した例って…実はあんまりない気がするんだけども。しかも天主ってつまり一番奥な訳で、そこが全焼するなら他もほぼ全焼して、全山丸焼けくらいになってるのでは。…でも信長の死後に安土城には三法師が入ってるから、少なくとも全山丸焼けってことはない訳で。天主(と本丸)だけが全焼…ってのも…なんか…しっくりこない。類焼とか延焼とかそういう意味で。でも火事(それもぼや程度ではなく瓦が歪む程の猛火)が原因で取り壊されたのは確かだろうと勝手に思ってます。
結構どうでもいいことなんだけど、安土城築城当時って安土山は内湖に突き出してて、城から即、船で琵琶湖に出られた訳ですよ。しかも山の上の天主で金箔と朱塗りで超目立つ。…多分高島辺りからでも天気の良い日とかは見えたんじゃないかなぁ…姿は見えなくてもなんかキラキラするもの、みたいな。仕事の帰りに琵琶湖岸を走ってると、結構湖岸から離れても、遮るものさえなければ対岸の山とか見えるんですよ。だから比叡山が焼き討ちされた時は対岸、守山や草津…ひょっとしなくても八幡以北からでも赤々と燃える山が見えたに違いない…。
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