2012年8月7日火曜日

「マリー・アントワネット物語展」名古屋市博物館

 来年の演目発表の前から行くつもりはしてた特展(巡回展)。平日の割に人が多かったように思うので、土日は恐らく結構な人ではないかと。
 ハプスブルク家のお嬢様としてのマリア・アントニア、フランス皇太子妃・王妃としてのマリー・アントワネット、母としてのマリー・アントワネット…大体この3つの切り口からの絵画や逸品の展示、それからマリー・アントワネットこだわりのインテリアとして草花等をあしらった壁紙等の復元品・衣装(復元品・参考)・ベルサイユの写真パネル…といった構成。
 池田理代子とのコラボ? については思っていたよりもとても小規模。

 前半からの油彩を始めとする絵画はとても…なんていうんだろう、わかりやすいんだけどわかりにくい。雰囲気効果としてはとてもいいと思う。展示する壁もオリジナルの展示用具を使って雰囲気を出しているし、カンバス油彩画はそれだけで「フランス王家」の格式?みたいなのを感じさせるし。ただ、一方で説明が少なくて、特に風景画ともなると…そこから何かを読み取ろうってのは難しいなぁ…。私が「絵画」の見方というか、そこからの情報の読み取り方に慣れてないから余計にそう思うんだけど。
 一方で実物資料は見てて面白かった。当事流行りの最先端だった懐中時計に、蜜蝋で封した時につけるはんこ?もセットでついてるとか初耳。あと、思い出の小箱とかいうタバコケースみたいな大きさの(それでも作りの豪勢さは他の小物入れと同じくらい)箱で、中に金製のペンと象牙の薄板(カード状)が入ってて、何に使うのかとおもいきや舞踏会でダンスに誘われた順のメモだとかを取るんだとか…。象牙に金でメモるとかどんなけ…! って思ったけどもこの超豪華なメモ帳にメモるのが「嗜み」ってんだから想像を絶するセレブ世界ですわ。
 あと、手先が器用だったルイ16世が作ったネジとか小刀とかも展示されてた。
 不満といえば、メダルの展示方法。表面だけを展示して、後ろに鏡を置いて裏面も見せてるんだけど、説明を読む限りではどう見ても裏面の方が細工が細かいし、寓意を込めてるように思う。それなのに裏面を見るべき鏡がとても見にくくて、細部がよくわからない。出来ることなら鏡は使わず、2枚ずつ使って表向きと裏向きとを並べてほしかったなぁ…。
 衣装の展示コーナーは撮影可能。当事流行りの巨大に盛り上げた髪に軍艦だのを乗せた鬘を実際に被ってみられるコーナーもあり。再現した元の絵画の写真だけでも説明パネルに添えてくれるとわかりやすかったなぁ…せっかく考証元にした絵画が存在するんだから。
 最後はベルサイユ内部の写真パネルでどちらかといえば観光案内にも見える展示。ちょっと尻すぼみかなぁとも思ったけど、展覧会のコースの最後に物販を置くというどこの展覧会でもある構成上、最後はこういう「余韻」みたいなのを置いたほうが現実に戻りやすいのかもしれん。

マリー・アントワネット 物語展
気合はとても感じる。品数も多い。


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