2011年11月17日木曜日

月組『アリスの恋人』バウホール(初日)

何から書けばいいのかわからないけれど安定の小柳芝居でした。萌え萌えだけで終わるかと思ったけどきっちり後半泣かされてきました。なんていうか、安定感あるわー……っていう。
 物語の本筋…っていうかまぁパンフ見たら書いてあるんだけど…ネタバレなしには感動部分も伝わらないからホントどうしようかな…けど1日たったら記事にもなってるしまぁいいか。
 アリスの恋人、っていうタイトルで、キャラクターは確かにアリス・イン・ワンダーランドの名前をしているけれど、なんていうか…二次創作? 下敷きにはしてるけど何ら重要視はしてないって感じかなー…。いや、面白かったですよとても。

小ネタとしては…
 ちゃぴがみりおにむかって同じセリフを3回繰り返して、「3回言ったよね」と言われてたり(大事なことは3回ry)。
 アリスがマンホールに落ちてこの世界にやってくるんだけど、なんで来たのか、っていう問いかけに対して(アリス)「マンホールに落ちて」(チェシャ)「マンホールって?」(アリス)「道にあるこういう…」(チェシャ)「なんでマンホールって言うの?」(アリス)「なんででしょう…今度ググっておきますね」…ここの会話ほんとに怒涛。でサラっとググるとか出てきたよ…。
 アリスの同僚が二人とも韓流好き。東方神起とかイタキスとか朱蒙とかいう単語が出てきた気がする…。

 で、以下はネタバレを含む感想です。

ルイス・キャロル(明日海りお)
 現実世界では…高校生かな? ブレザー+マフラーとかもう鉄板過ぎてさすが小柳先生よくわかってらっしゃる。現実世界でのナイーブさが夢の中ではちょっと方向性を変えて出てきた感じかなーと思ってみてました。内向きナイーブが外向き神経質になったというか。
 一人称は聞いていたとおり「僕」なんだけど、俺様っていうか…俺様とかエスとかっていうのとは違うかなぁ…まぁでも若干攻撃的なみりおさまでした。
 ちゃぴの図太さについていけなくて「話を聞けよ!!」って言ったりしたかと思えば「目覚めて最初に会いたいのはあいつなんだ!!」とか言ってみたりとにかくもう、あて書きの威力ってすげぇ…としか。
 あと、アリスにむかって「忘れられなくしてやる」ってキスするところとかもうどんなけ、どんなけ悶えさせるのかこの人は!!! 客席でもぞもぞしちゃったじゃないのさ。
 でもってフィナーレでちゃぴを抱きしめて頭ぽんぽんするみりおとかもう…ごちそうさまです…満腹。

アリス(愛希れいか)
 現実世界では編集者、つまり社会人。要するにみりおより実年齢上。…だからなのか、マッドティーパーティでも順応力高!!
 どうしても元男役、としてみてしまうからなのか、普通の娘役とは…何かが違う。押しの強さ…? 強い娘役、っていうのとは何かまた違う。歌声とかは普通に娘役なんだけどなー…なーんか…違うんだよね。

帽子屋(紫門ゆりや)
 謎のキザキャラで女ったらしで(幼女も口説く)ナルシーだけど本命にはうまく言えなくて、言ったつもりが相手にはうまく伝わってなくて雰囲気のままに抱きしめようとしては空振って…なにこれゆりやん美味しいwwもう2幕はゆりやんがキザる度に笑いが起きてたww美味しいなww
 マギー相手に裏切り芝居したかと思えば鍵スリ取ったりして…そんな才能まで…!
 ジャバウォックの所の赤い衣装とか、何かにつけて「ウザキャラ」を徹底しててすごくよかったです。そういうくどくてウザい芝居大好きです。

チェシャ猫(貴千碧)
 けもみみ!!
 ピンクのしましま尻尾でいつも同系色のネコじゃらし…というかモップみたいなのを持ってる。あの狭い所のホコリもがっちり取ります! みたいな感じのモップ。
 冷静…かは置いといて帽子屋よりも頭が良いチェシャ(いつも寝てるヤマネは論外)
にしても、にしても、だ。小柳やりよった…! とまぁ随所で思わされてた訳なんですけども。まんちゃんのチェシャ、語尾が「にゃ」いちいち「にゃ」…って言い難いだろうに長台詞でも文中の濁音をちゃんと「にゃ」。もう、もうね! 客席からもくすくす笑いが止まりません。可愛よまんちゃんww ちなつと二人でゆりやんを挟んで「にゃーお」「ちゅーう」って言ってるし!
 で、そんなまんちゃんチェシャのセリフにも仕込みがあり…赤の女王に首を切られてしまうーの所で「耳のない猫は大人気にゃが、首のない猫は怪談にゃ!」とかなんとか。

 …………。

 ドラえもんのことかーーーー!!!(某有名漫画のセリフっぽく)

ヤマネ(鳳月杏)
 けもみみ(その2)!!
 いつも寝てるヤマネちなつ。いつも眠そう。まんちゃんがいつもネコじゃらしを持ってるのに対してちなつはいつも枕を抱きしめてる。立ったままも寝るし。ティーパーティでも途中からうとうとして、隣のまんちゃんに耳を触られてはぴくっ…ってのを繰り返してた。まじかわゆ。ただ、この場面の頭は真ん中にごろん、と寝転んでるからフラットな席からはよく見えんかった…入ってきた一色さんとかはみんなちなつをひょいっとまたいでたけどw
 他の場面でも立ったまま寝てて、ジョーカーの一色さんに後ろでどんっと足踏みならされてびくっとしたりマジかわゆ。
 まんちゃんが長台詞で難しい事言ってる横で立ったまま寝てて、だんだん魘されてきて枕をぼすぼす殴りだしたかと思えば寝ぼけたまま枕でまんちゃんをタコ殴りwwwあかんwおもしろいww

三月ウサギ(珠城りょう)
 けもみみ(その3)!!
 うさみみ!!
 衣装もいろんな意味でうさぎ。上着の前ボタンが目で、チェーンが口でチェーンを止めてるベストのボタンが鼻で、襟が耳になってた。
 幕開きすぐからストーリーテラーみたいに出てきて、口上も堂に入ったもんだわ。これは日替わりになるのかなー? 「バニーボーイ? 失敬な!」とか「耳は気にしないでください。尻尾だけあって耳がなかったらおかしいでしょ?」とか、たまきち一人で場をもたせるのもこれは面白いなー。
 しかし、しかしだ。
 幕開きすぐにうさみみたまきちが一人で舞台に出てきたときはそらもー客席からこらえ切れないクスクス笑いがだな…!

ハートの女王(愛風ゆめ)
 わがままな子供の女王様。ゆりやんに「今日もお美しい」とか言われて「その手には乗らぬぞ女と思えば幼女でもくどくかこの***」とか罵ってて…ちょ、ゆりやん女といえば見境無しww
 ていうかかぼちゃパンツがドナ尻のようでいちいち可愛い。
 「首を刎ねよーーーーー!!」ていうお約束のセリフもありつつ、ほんとに子供じみたわがまま放題の女王様なんだけど、ジャバウォックの劇で大泣きしてたり、ほんとに感情の振れ幅の大きい子供。
 後半で、みりお(ルイス)の妹の姿だということが分かって、みりおがゆめちゃんのために作った世界だからワガママ放題だということがわかると、キャラが一気に違って見えてきて、最後には「お兄様、と呼べばいいのか…」記憶が無いはずなのに妹であることを受け入れているのはこのハートの女王(妹)もまた「ルイスが創りだした」夢の世界の住人だからなのかな。
 なんにせよただの我侭な女王様なだけじゃないゆめちゃん、すごいよかった!

ナイトメア(星条海斗)
 パンフのマギーのビジュアルがさすがすぎる。舞台では鬘が違うのと、スチルの時はつけてた長い爪はさすがにつけてない(黒か青のネイルはしてるけど)。あと、あの右手じゃらじゃらもそのまま。元々の顔立ちと相まってすごいはまりキャラ。
 なんていうか、悪魔とか、サタンとか(一緒だよ)そういう悪役なのかと思ったけどどちらかといえば必要悪な存在で、その存在の寂しさを紛らわしてくれた女の子を大切にしたいという思いからみりおを夢に閉じ込めてる訳で…この、「誰も悪い訳じゃない」のがとても宝塚的なファンタジーだなぁと思いました。
 にしてもあの髪型、どっかで見たことあるんだけど。乙ゲーか乙ゲーか乙ゲーで(つまり乙ゲー)。小柳芝居なので別に問題ない。
 でもってゆめちゃんに夢物語をするんだけど…素材が…題材が…荘子…!wwいや、わかるよ、夢と現実っていう話の中でこれほど有名でふさわしい話もないんだけど、でもさ、その容貌で語る内容は荘子って! 音楽も心なしかチャイニーズ…。
 歌ってもその「胡蝶」のフレーズが沢山でてくるから…なんだろう…こう…なんとも言えないにまにました感じ。

レイヴン(萌花ゆりあ)
 これもほんっとはまり役だと思った。私がまいまいに抱いている勝手なイメージなんだけどもね。レイヴンの衣装とにこりともしないまいまいがほんとにクールだった!
 あと、短刀二刀流は小柳先生の趣味にほかならないと思う。

ルーク(光月るう)ポーン(琴音和葉)
 上司なのにまっったく頼りにならないルークと、お調子者で騒々しいポーンのコンビがすごいよかった! 特にポーンの和葉ちゃんが一々ウザいww甲高い声で「でーーーすっ!!」って言うのを聞いてみりおが「この上なくウザい」と吐き捨てたときに「そういうキャラですからー!」と言ってのけたこの子やりよる…!

白の女王(花瀬みずか)
 あーさまはこういう女王様っていうかフェアリークイーンみたいな役が最近多いなぁ…けど白の女王というなら、バラ王の時のあの鬘とお衣装そのまま使い回しでもよかったかしれん…あの鬘すごいよかった…。今回の白ドレス、下半身はすごく綺麗なのに上半身の…特に袖のところが…私は好かん…。
 で、あーさまの役どころは夢の管理者。…なんだろ、この、同類にしか伝わらない言い方をするけれどもいわゆるドリーム小説とかによくあるトリップモノというジャンルに時折見受けられる「支配者」的なキャラというか。ていうかそのものだよね。この舞台それ自体がトリップモノだから。
 まぁそんな訳でかなり強引な存在ではあるのだけれども。

 後はもうホント細々書いてたらきりがないんだけどもジョーカー(一色瑠加)のヒゲとかマジ最高でしたし。マントばっさーして「お茶にしよう」とか笑わせてもらったし。トランプのエース(沢希理寿)は劇中劇のジャバウォックの所で吟遊詩人として歌いまくるし。公爵夫人(妃鳳こころ)のつけまはすごいし(そこ?)トランプ達はイケメン揃いだし。
 このトランプの中で、目を引いたのは…貴澄隼人くんかな? 娘役でも付けないような(逆に娘役だから使わないような)ストレートの超ロングヘア。それで芝居がすごくクドいwwそして大仰。立ってるだけなのになんか立ち姿が…おかしい。変っていうか、なんか目を引く。動きが一々芝居がかっててすごく大きいし、それが後半にかけて拍車がかかっていくから劇中劇の前にバタバタしてる所で剣を手に走ってるだけでおかしいww
 それから同じくトランプの輝月ゆうまくん。オネェ!!! 最近オネェが流行ってるんですかね← この子ものすごい大きいのに(あくまで月組レベルで)、髪も赤い小さいリボンで2ヶ所止めた上におさげまでつけてる…! 最初のほうは見てなかったんだけど、この子も劇中劇の準備の場面で重たい荷物を一人でズルズル引きずってたところに他のトランプが来て…なんか言ったんだよね。それに対して「優しくしてね」とか答えてて、相手に「お前、男だろ」って言われて「オトコって言わないでよっ!!」って……おおうオネェ…。2幕から注目してみたら、ほんとに手の動きまでしっかりオネェになっててこの子…!
トランプは最初のほうの、女王様がお怒りだーみたいな場面でも下手端の方でマイク入ってないのに声聞こえるくらいの小芝居してたのでやっぱり目が足りない。

 もう何しかものすごい面白かったです。1回しか見られないのが残念だけど、まぁ致し方ない…。割りきってDVDなりを待ちます。面白かった。

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