2012年4月23日月曜日

「幽女の如き怨むもの」三津田信三

戦前、戦中、戦後にわたる三軒の遊郭で起きた三人の花魁が絡む不可解な連続身投げ事件。
誰もいないはずの階段から聞こえる足音、窓から逆さまに部屋をのぞき込むなにか……。
 心待ちにしていただけに…って最近こんなんばっかり言ってる気がします。そう考えると買い漏らしが多いコミックス以外は新刊アラートを設定しない方がいいのかなぁ…2ヶ月前に発売日を知る→2ヶ月分の明確な「新刊待ち期間」があって、その間は「次いつかなー」の時とは明らかに違う期待感があるからどうしてもハードルが高くなるというか。週に3回本屋に寄って(大体空振りだけど)「あ、出てるやん!」で買って読んだほうが読了感は幸せなのかも…と思ってしまいます。
 いや、面白かったですよ。面白かったけど、「厭物」「首無」「水魑」の個人的な刀城シリーズ3トップには劣るな…っていうのが正直な所です。

 以下、本編に触る内容の感想です。


 期待した分だけ…というのは刀城言耶がなかなか出てこない。2章は刀城言耶に話して聞かせている体、というのはわかるけれど、1章は一人の遊女の日記で、3章はとある作家の雑誌投稿原稿…という体裁。4章になってやっと刀城言耶の解説が入る…という展開。前3つ、特に1章がとても分厚い内容だからこその尻すぼみ感。
 1章の遊女の世界観であるとかはとても興味深かったし、じっくり書かれていたから民俗的な面ではすごく興味深くて面白かった。だから退屈したとかそういう意味で期待してたよりも…という訳ではなく、民俗的な事例とそれに怪異を絡めてくるこのシリーズが好きだから、普通に面白かった。…んだけども。怪異に至るまでが長い上に…わかりにくいというか気のせいレベルというか。それは2章3章と進んでも、やっぱり怪異が少ないというか気のせいレベルというか狂言レベルというか。
 けども4章の解説で「3人の緋桜」についての解説は目からうろこでどんでん返しではあったけど。それ以外の驚きとか、どんでん返しがなくて、やっぱり尻すぼみで終わってしまったような印象。
 建物の間取り図もあったけれど、遊郭特有の間取りなんかなー…なんか関係あるんかなー…と思ってたけども…あまり…凝視しとかなくてもよかった…。私はもともと地図とか間取りとか覚えるのが苦手で、読み終わってからもっかい確認してもっかい読む…ってタチなんだけどその必要もなかったかな…
 他作品とのリンクがちらっと出てきたからそれはまた読み返そう…と思うんだけどどの短篇集だったか…どの話かは覚えてるけど表題作ではなかったからどれだったかなー…。

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