2010年4月2日金曜日

『トリノ・エジプト展』神戸市立博物館

火曜日に見てきたので記憶がそろそろ怪しいけれど、これから見に行く人に…ネタバレ気にする人は『続きを読む』から下はご注意。
 この手の大物(ネームバリュー・実際の大きさ両方の意味で)がやってくる展覧会は土日はエライ人になるから平日が狙い目、しかも水曜~金曜。火曜日は月曜が休館日だから平日にしちゃそこまで空いていないイメージ。けど代休が火曜しか取れんかったからせめて朝イチで、と思ったけど…朝イチの落とし穴は団体客です。いや、マジで。1回ロビーにも石像の東部が展示されてるんだけど、その横がどうも団体客の記念撮影スペースになっているようで、私が見た時は1組しか写真撮ってなかったけど、これが2組になったら相当…イラッ☆ になるやも。
 あと、チケ売り場のお姉ちゃんはどうも展覧会毎に請負業者が募集してるバイトっぽいな…と。音声ガイドの貸し出しスタッフとかはその手の募集が沢山あるから展覧会毎に新しい顔ぶれのバイトだろうけど。チケット1枚買うのにもなんかもの凄い時間かかった…。そう、音声ガイドと言えば、今回の音声ガイドは沢村一樹なんだけど…正直、普段から音声ガイドを借りる事はないし、別にそこまでエロボイスな解説は求めてないから借りませんでした。そういう意味ではネタバレはないよ。

 で、展示内容ですが…スゴいわ。所謂プロの犯行というヤツ。え、これマジで市博の学芸員がイチから全部考えて設営した展示計画!? ここの学芸員なんちゅークオリティやねん! というレベル。いや、スポンサーとか沢山ついてて、海外から運んでくるから輸送業者(美術系専門の)がほとんど頑張ってるんだろうけどもさ。この展示計画、ちょっと図面見せて欲しい、マジで。パーテーションの切り方といい、鏡使って奥行き出してる所(しかも照明も暗くしてる)といい…すげぇ…発想も凄いが実現させる金銭面もすげぇ…。テーマカラーも黒と赤…もっと言うならワインレッドとネイビーのもっと暗い色? この対比で展示台やらが統一されてるからとっても高級感。暗いけどよくよく見れば布貼ってるのとかは結構どこも一緒なのね…と思うけど、ちょっと明るさ変えたり、ガラスの足を付けるだけでここまで違うか高級感…透明のパーツって使い方によっちゃホントクオリティどーんと上がったよーに見せられるのね…ふむふむ。…しかしガラスの足なのに展示台の裏側(貼った布を固定している部分)が養生テープベタ貼りだったのが…や、確かに誰も見ないよといえばそれまでなんだけど、子供の視線だと丸見えだよ…。
 …はっまた展示方法について先に語ってしまった…。品物も見るけど展示方法とかも見ちゃうから結局人の倍以上の時間かかるんよね…。今回は壁に映像(ウジャトとか)投射装置とかが仕込んであったからそれもじっくり見てしまったし。
 展示されてる品物は、とりあえず、石。ステラとオストラコンがほとんどかな…。あとは石像(部分的なのも沢山)有名なカノポスは2セット、ミイラと石棺が2組…だったかな。木棺はもうちょっとあった。人型棺と箱形棺と両方。あ、個人的見所としては死者の書が壁に展示されてたのが目を引いたかな。パピルス製品少なかったから。後、模様とかは特になくて地味なんだけど、麻織物が綺麗に残ってて…流石乾燥地域は物保ちがいいなぁ…と。それからネコの像な。神聖な動物だけあって、ネコの像はどれも美猫。
 石像はツタンカーメン(とオシリス)像が一番大きく扱われてるけど、羊の頭部とか…存在感がスゴい。何故羊か、っていう説明があまりなかったのが残念だ…太陽が牡羊座にある時が云々っていうそういう説明もあるかと思ったんだけど。
 オストラコンとはちと違うんだけど、彫刻職人が鳥の練習をした石とかは興味深かったかな。ほほう、こうやって練習を…みたいな。よく、王様でない貴族の墓とかで、修行中の絵師が書いた壁画には方眼線が引かれてるのがあるけど、あれの彫刻版みたいな感じ。
 とりあえず大物がばっと持って来ました…って感じで…メインテーマがよく解らなかったかな…一応、死生観と信仰…っぽいといえばぽいんだけど、エジプト展って大概このテーマだからそういう意味での目新しさはあまりないかな…。よく想像される黄金製品としてはミイラに縫い付けられてた護符が1組だけだったし(玉製首飾りとかは別にあった)。
 あと、これは今回の展示に限った事では無いのかも知れないけれど、展示品のほとんどが『出土地未詳』ってなってて…ああ、これがエジプト考古学の歴史なのか…と。どこから出てきたのかを記録しないまま掘り出して、とっとと運んでしまう(例えそれが国外の博物館で展示する目的であっても)と、それって堂々とした盗掘とほぼ一緒だよなぁ…と。出土地至上主義も行きすぎるとアレだけど、『未詳』よりはマシじゃないかな…と思ってしまう。そういうこれまでの歴史があるから、今、エジプトでは発掘調査そのものは『エジプト人の手で』って取り決められてんのかな…。まさか掘れば掘るほど出てくるから一々遺物番号とか振ってられな…いや、そんな筈はないよね…?

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