2012年3月24日土曜日

「日欧のサムライたち ―オーストリアと日本の武器武具展―」大阪歴史博物館

大阪歴博の特展と、常設でやってる特集展示を見てきました。先に常設の特集展示の感想から。

-装剣奇賞出版230年記念- 刀装 根付 細密工芸の華
 馬の博物館で時々あるような、刀装具(特に目貫、小柄)が最初にずらっと並んでて、一々すごい。小柄を縦に使って寿老人とか、関羽とかが面白かった。関羽はやっぱり長い髭と青龍堰月刀がトレードマークなのね。
 折り紙つき、の「折紙」は刀装具の鑑定書のことで、鑑定することを「極める」というから鑑定書のことを「極書」とも言って、「極め付き」の語源がこれ、っていう説明もあって、(´・∀・`)ヘー と思いながら見てました。
 あと、大阪の出版業界では新刊が出ると住吉さんに奉納する習わしがある、ってのも書いてあって、そんな献本制度みたいなのがあったから貴重な初版が残ってたりするのねー。
 あと、大きい展示ケースに収められてる小柄や目貫、小さいものだから奥行きを殺して全部手前一列に並べてくれてる(デッドスペースができるのを仕方ないと割り切ってる)のが見る側にはやさしいなぁ…「スペース余るからもっと並べよ」とやりがちだけど、そうすると小さいものはホントに「何アレよく見えない」で終わってしまうしな…。
 あと、後半というか、真ん中らへんの根付の展示。根付ってしげしげと見たことなかったからすごく面白かった。
 欲を言うなら根付は360度全方向から見て楽しむもの…というか、見られることを意識して作る逸品だというなればこそ、全方向から見られるような展示をして欲しいなぁ…と。背面が見にくかったりして(´・ω・`) ってしたのがあったので。特に鍾馗鬼。鬼を閉じ込めた袋の上に鍾馗さまが座ってる意匠なんだけど、説明には「鬼がすきあらば逃げ出そうとしている」って書かれてるんだけども背面側だからよく見えなくて、これは袋から腕とかを付きだそうとしているのかな…? くらいで。
 リアルなものとしては大黒天が貧乏神を羽交い絞めにして縄で縛り上げようとしてるのとか。これは財布につけたら御利益有りそうで話題にもなるなぁ…。あと、韓信の股潜を題材にしたのもあって(これはかなり大ぶり)面白かったなー。

日欧のサムライたち ―オーストリアと日本の武器武具展―
 これは何年か前にオーストリアのグラーツにあるエッゲンベルグ城の「インドの間」の壁に嵌めこまれてた絵が秀吉大坂城の城下町屏風だったというのがわかった…っていう所からエッゲンベルグ城と大坂城が友好城郭協定を結んだとかで実現した展示なんだとか。そういえばその番組見てたわ…! で、大坂城屏風だってのがわかったからその「インドの間」は「日本の間」に改名されたそうです。
 入り口にある甲冑はシルバーとブラックのすごい…模様…。当時の衣装を甲冑にも反映させるらしく、これは当時の「スペイン風の宮廷衣装」が元になっているそうな。すげぇ。
 最初の方に日欧の代表的な陣形、として日本は鶴翼の陣、ヨーロッパはテルシオが紹介されてました。
 前半はヨーロッパ中心で、あの重々しい甲冑と、代表的な戦いの銅版画? かな?
 後半が日本の甲冑とかの展示で、何がすごいって大阪城天守閣所蔵の屏風と甲冑がどーんと並んでる所ですよ。長篠合戦図屏風、小牧長久手合戦図屏風、関ヶ原合戦図屏風、大阪夏の陣屏風…これがずらっと、壁面に並ぶ展覧会ってありそうでない。こんな代表的な合戦図屏風が一同に会してるのも珍しい…。ていうか夏の陣屏風の人物密集具合がすごい。ホントにひとひとひとひと…。
 で、その屏風の対面側には甲冑がずらっと…8両くらいかな? 脇坂安治が秀吉から拝領した甲冑から始まって、藤堂高虎、真田幸村(手甲に六文銭)、後藤又兵衛、真田信之…など。有名所ばっかりやーん。真田信之のは胴にハシゴの意匠があしらってあって、これは出世を意味するんだとか。前立に天衝と揚羽蝶を重ねてあしらってる兜もよかったなぁ…。

 特展は5月6日までだけど、特集のほうの刀装具は4月2日までらしいのでセットで見たい人は今月中に…!

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