2011年5月2日月曜日

『スミレ刑事の花咲く事件簿 愛ゆえの涙』石平ひかり

披露宴会場から花婿が消えた?休みの日に、あの部下のせいで事件に巻き込まれた伊原すみれ刑事は、無事に捜し出し、花嫁に笑顔を取り戻させることができるのか?ほか、占いサイトのオフィスにからむ連続殺人の入り組んだ謎に挑む!フィナーレは今回も、黒燕尾服風ジャケットを着て、階段の前とは…。
 辛いことを言うなら刊行ペースが早すぎてクオリティダウン傾向かなー…と。いや、舞台がそろそろ初日を迎えるのとか、いろいろ思惑はあるのだろうけれども。
 ますますなんていうか、水夏希ファン、宝塚ファン向けという色が濃くなって、この『スミレ刑事』シリーズをこれから読もうとする人が最初に手に取るのは(宝塚ファンであっても)この本でない方がいいんでないかな、という。

 この本も二本立てなんだけども、正直1本目の結婚式の話は…うーん……言い切ってしまえばドタバタ茶番劇。いや、「死体が転がらない話」っていう意味でね。私がそういう「死体が転がる話」ばかり読むからそうじゃない話がいまいちしっくりこないだけなのかもしれない…。
 2本目は前作に続いて「都会の闇」っていうか「現代社会の隙間」みたいな所をついてて、こういう話の方が後味は良くないけど、物語としてはすごく好き。
 で、今回のヅカネタとしては『ZORO』と『メイちゃんの執事』。後者は最後に唐突に出てくるのだけど、まさかそのためだけの伏線なのかこのネットカフェの話は!? とあとからちょっと疑心暗鬼。だとすれば盛大な伏線すぎる…置いてもいない布石をしれっと活かそうとしたり(そこに布石打ってないですよ!)とか張ってもいない伏線を回収しようとする話が多い中でただこれだけのために延々伏線を張り、布石を打っているのだとしたら(多分そうなんだろうけど)…なんていうか…なんて言ったらいいのか…。言い方はアレだが壮大な仕込みだわ。どっちがメインかわからんくらいの壮大な仕込み。

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