2009年2月27日金曜日

秋春制について

 ウチのような崖っぷちブログからですがこっそり貼らせて頂いているサイトがあります。冬開催に反対するJリーグサポーター有志の会という…読んで字の如くの活動をなさっておられる新潟サポーターの方々です。

 あ、今日のこの記事、長いです(先に書いておく)。

 で、私の個人的な思いとしては、秋春制に果たしてどんなメリットがあるのかと。百害あって一利無しとは言わないけれど、デメリットを相殺してなお有り余るメリットがあるのかと。うだうだ考えてみました。

秋春制のメリットとやらに反論してみる。
・ヨーロッパとカレンダーが一緒になって移籍しやすい
 じゃあ今はそんなに移籍しにくいですか? 確かに向こうはシーズン途中でしょう。でも日本がその時期に移籍できないシステムにしている訳でもない筈です。カレンダーがあわなければ移籍できない、半年の期間ではチームに残れるかどうかわからない。それは厳しいことを言えば『実力不足』なのではないでしょうか。海外に出る訳ですから『挑戦者』になるんですよね? お膳立てを整えて貰わなければ挑戦出来ないでしょうか? 海外リーグに定着できないのをカレンダーのせいにするような理論はお門違いです。
 そもそもヨーロッパ=秋春制という認識がそもそもおかしい。北欧はシーズンずれてますよね? 秋春制なんて出来てるのは地中海沿岸と北大西洋海流が流れるあのへんだけじゃないですか?
・野球とシーズンがずれる事によってお客さんが増える
 じゃあサッカーファン・サポーターはサッカーのシーズンオフに野球見に行くんですか? 行かないでしょう? 同じ球技だから、スポーツだから、そんな事は何の理由にもなりません。鯖が好きな人はカレイも好きですか? そうとは限らないでしょう。それと同じ事です。だいたい日本のスポーツはサッカーと野球だけですか? 冬場に本番を迎えるスポーツは他にもあります。特に最近はフィギュアスケートが人気ですよね? 野球だけを取り上げてシーズンを被らないように、なんて根拠としては薄弱すぎです。
・夏場に試合をしなくていい
 日本の夏をいつからいつまでと考えるかによりますが、例年の猛暑日(最高気温35度以上)が現れる間と仮定すると梅雨明けの7月頭~9月末。真夏日(最高気温30度以上)と仮定すると本州では5月の半ばが最も早いとして11月頭くらいまではあり得る(北海道でも9月中は真夏日の日がでる)わけです。日本列島が亜寒帯から亜熱帯まで気候分布が広がっている事もあり、『夏』の規定そのものが難しいのはさておき、現在よりも中断期間はやや長くなることは間違いありません。
 現状ですら平日のナイトゲームで試合数を消化しているにも関わらず、期間が短くなるということはその分平日のナイトゲームが増えることになります。
・暑さがないからパフォーマンスが向上する
 かつてゼロックス杯でミゾレの中試合をして果たしてそれが「良い試合」だとは到底思えませんでした。むしろ冬場で筋肉が硬直しやすい分だけ怪我が増える恐れがあります。
 雪や、冬場にこそ強く吹く風で視界が遮られる中ではたしてどの程度のパフォーマンスが期待出来るでしょうか。
・暑くないから見てる人も楽
 …どこが? と聞きたいですね。極寒ですよ。応援して、声だして飛び跳ねてても底冷えです。終わる頃には震えが止まりません。謂わんやじっと座っている人をや。
 ハーフタイムに温かいものを食べたり飲んだりなんて時間はありません。15分未満の時間で何ができますか? コンコースで暖まればいいという話を聞きましたが、雨風が吹き込まなくて屋根があって空調が効いて温かいコンコースを備えているスタジアム…はある程度あるでしょうが、そこに入れる人、入れる席種のチケットを持っている人は一体全来場者の何パーセントでしょうか。多くのサポーターは屋根がなかったり、風が吹き込む所で応援しています。確かに一人一人が払っている金額はコンコースに入れる人よりも少ないでしょう。でもスタジアムを『構成している』のはこういうサポーターなのではないでしょうか。

秋春制にしても変わらないであろう事柄について反論してみる。
・サッカーを好きな人は見に来る
 確かに行くでしょうね。でも物理的に無理であれば話は別ではないでしょうか。雪で乱れるダイヤ、風で乱れるダイヤ、飛ばない飛行機動かない新幹線。この冬だけで何度あったことか。
 開催期間がずれた事で生じる『平日ナイトゲーム』は否応なしに客足を遠のかせます。AWAYならばなおのこと。いくらサポやるために働いてると言い切る人でも、線引きの限界はあります。
 また、秋春制最大の問題は日本の『イベントシーズン』です。日本の受験は冬が本番です。受験生はその年のリーグ戦を見に来られない恐れがあります。「受験なんかよりもサッカー」と外野が言うのは簡単ですが、学生さんはそれに向こう数年の人生掛かってるんです。あまりにも無責任な期待でしょう。また、日本で一番大きなお祭りごとというか、行事はお正月です。年末年始のリーグ戦が果たしてどこまで『身が入った』ものになるか(選手もサポーターも)疑問を差し挟むところです。天皇杯はタイトルマッチだから、一発勝負だから、この時期に『便乗』出来ているのではないでしょうか。
 受験の話とも重なるのですが、日本は4月から新年度です。サッカーのシーズン途中で年度をまたぎます。これがどういうことか、もう少し真剣に考えられては如何でしょうか。サポーターの生活ががらっと変わるんですよこの時期を境に。進学する人、就職する人、転勤する人…自分の生活で手一杯になる季節です。物理的にサッカーを見に行けない人が続出します。また、クラブチームも会社である以上、年度の壁は越えられません。

 デメリットについての考察はまた今度。
 多分目を背けてるだけで他にもメリットはあると思いはします。が、果たしてそれは論破できない完全な『メリット』なのかという…疑わしさもついてまわりますが。

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