2011年1月15日土曜日

『妃は船を沈める』有栖川有栖

臨床犯罪学者・火村英生、かつてない強敵と対峙す! 三松妃沙子。「妃」と綽名される彼女の周りには、いつも若い男たちが集まっていた。自由で貧しくて、少し不幸な彼らとの時間に彼女は、何を求めていたのだろう。願い事を三つだけかなえてくれる猿の手に、あるいは不穏に震える揺り籠の中で、何を祈ったのだろう。倫理と論理が奇妙にねじれたような、不可解な二つの事件の背後には、濃くゆらめく彼女の気配があった。臨床犯罪学者・火村英生、罪深くも誇り高い難敵に挑む! 美しく、魅力的な女の、大きすぎる口。多くの秘密を飲み込んで、笑っているように見えた──。
 結構長い間積み本状態だったので短いとはいえこの大雪で外に出られない正月休みの間に…と思って読みました。読み始めると一気なのにねー…ページを開くまでがねー…。っていうのをとっくに小正月な頃に書いてみる。
 以下感想ですがネタバレもなにも一切ないのでご心配なく。

 私はこれに出てくる「猿の手」を読んだことは無かったのだけれど、さらっと内容に触れてくれるから別に未読であることで何か支障がある訳ではないのは作者も冒頭に書いているとおり。ただ、ほんとに知らないから火村とアリスの解釈談義については…ただただ…「なるほどねぇ…」と思うのみで自分はこう思う、とかどっちにより納得できる、っていうのはないかな、と。
 内容についても元が2部作品だからかそれぞれはさらっとしてるかなー…という印象。元々私が国名シリーズの一本モノが好きだからそう思うだけなのだろうけれど。
 トリックにしても…トリック…というか…なんていうんだろうな…まぁこれもトリックなんだろうけれど、大がかりすぎて(時間的な意味で)。これも私が古典的な時刻表とか密室とかを好むが故の「うーん」っていう部分なのでこういう長時間モノが好きな人はこれも好きなんだろうなぁ…。
 という私的には若干消化不良気味な感じ。

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