2011年1月19日水曜日

雪組『ロミオとジュリエット《新人公演》』宝塚大劇場

 主演のさきちゃんは本公演では死で、雑誌の写真とか見てるとまだ女の子だなというか、女性的だなーと思っていたのですが。が。なにこの若々しいロミオは。すごくなんていうか瑞々しくて、男らしさがまだ備わってない中性的なところがある少年期を抜けきってない、そんなロミオでした。うん、ぴったり。
 さきちゃんに限ったことではないのだけれど、ロミジュリという作品にある若さ故の勢いとか、無鉄砲さとか、未熟さとかが若い子が演じる新公にとても合っていたのではないかと思います。
 あゆエットは可愛かった! どことなくねねちゃんのジュリエットに近いよーな気がしたのですがなんていうか身長差萌えの正しい例がそこにありました。さきちゃんとの身長差がなんていうか少女マンガの理想すぎる。
 がおりくんのベンヴォーリオが! いやもーこれマジで凄い。
 その前に、愛と死のせり上がりから幕が開いて、仮面舞踏会へ。だからみんな仮面つけてるのよね、最初の場面から。だからとっさにあれ誰、状態。
 ベンヴォーリオはまっつは黒髪エクステ後ろくくりだったけどがおりくんは金髪の、割合が多くて後ろに流してた。マーキューシオはちぎたんよりもトサカがグレードアップしてた…片側編み込みだったし。ティボルトはそのままだったけどパリスが…あれなんていうんだろう…ひろみパリスとはまたなんていうか違う路線の、ね。
 そんながおりくん、マジ凄い。言い方が悪いのを承知で言うんだけど、「視線泥棒」。仮面舞踏会からだからロミオとベンヴォーリオとの関係がさらっとナレーションされただけだったのに、どうやって伝えよう、のクォリティの高さが…ヤバい。ほんとに。まっつの上手さとはまた違う、若者ベンヴォーリオの慟哭がそこにあった。歌わせてもうまいのに、霊廟のシーンでロミオとジュリエットの亡骸を前にしたときの呆然と立ち尽くしてる姿がもう…なにこの苦しさ…! 長の挨拶もすごくしっかりしていて、今後がとても楽しみです!
 マーキューシオはちぎたんのマーキューシオが初日直後よりクレイジーさを極めているとは聞いていたのですが、二日目に見たときはそんな狂人っぷりは感じなかったから、新公はどうかなーと思っていたら…すごく…くるしい…。なんていうか、ティボルトに刺されて死ぬ所はまるでこっちが過呼吸になるんちゃうかというくらい苦しかった。それ以外のシーンでも、殴られても殴られても笑ってて、なんていうか…ぞっとしました。そうかこれが狂人ぽさの発露なのね…。
 ティボルトはまた生々しい、人間的なティボルトだったように思いました。かなめティボよりもおづきティボに近いよーな。いや、ごめん、ほんとにがおりちゃんにがっつり視線奪われててあまり見られてなくて。
 あとは神父様! 神父様もまたよかったのよ! 出だしでさらっと笑いを取り、そこからはがっちり安定感。
 それから乳母も! ソロも堂々としたもので、最初に噛んだかなー? くらいでほんとに、凄い安定感。私、神父様と乳母が追放されるロミオに「神様はまだお見捨てにはならない」と歌うところがものすごい好きです。
 でもってキャピュレット卿! これもまた歌がすごくて…宙組に安定感がないとはよぅ言わんけど、それでもこの新公は物凄いレベル高いんではなかろーか…作品とあってるのももちろんなんだけど。主演の二人以外にもソロの見せ場があったから余計にそう思うのかもだけど。
 宙組ファンには気になるあすくん。えりぃの弟(弟って言うな)。いやー美人やった! えりぃに似てるかどうかはなんともだけども強そうな愛だった。死も強そうだったからいい意味で愛vs死。
 あと挨拶がね。前回の宙組がいっちゃんの「あいちゃん」呼びだったり、愛ちゃんが可愛い声でボロボロ泣きながら挨拶だったもんだから、さきちゃんの挨拶がものっすごい堂々としてるなーと。組カラーとか、新公学年での数年って大きいのかなーと(なにその幼子を見るような感覚)。

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