2011年8月30日火曜日

「燔祭の丘」篠田真由美

『僕は―ヒトゴロシ』。謎の詩を残して姿を消した桜井京介は、久遠アレクセイの名に戻り、14歳まで育った屋敷にいた。一方、神代宗の話を聞いた蒼は、函館で京介を捜し歩き、20年前の忌まわしき事件を知る。次第に明らかとなる久遠家のルーツ。そして、父・グレゴリの狂気が京介を襲う!「建築ミステリ」の金字塔、ついに完結。
 高校生の時に友人から借りて読み始めて自分でも買うようになって…思えば何年読み続けたことやら。
 先日の東京行きで一気に読んだのだけれど、逆に一気に読まないと途中で栞挟んで一晩置いたら話に置いて行かれるような気がする。ていうか実際50ページくらい先に読んでたんだけども少し置いたらよくわからなくなって結局最初から読みなおした…。

 最初に、終わり方としては完全なハッピーエンド、めでたしめでたし、ではないけど、それは特に気にならない。けどいつか「ほんとの」ハッピーエンドは来るのかなぁ…そういうスピンオフが読みたいような、このままでもいいような。
 それはそれとして。
 話の中身はこれまでの伏線回収と京介の家族(主に父)と過去にまつわる話で、視点が章によって変化するから(そういうのもあって間を置くとおいてかれる)これまでによくあった1冊=1本=1事件…っていうのとは少し毛色が違うな、というか。あと、ほんとにこれまでのを(ほぼ)全部読んでないと(時系列はともかく)登場人物の多さやエピソードなどの点で完全においてけぼり。これはあとがきで著者も少し触れてる事ではあるけれども。そうでなくても京介の過去とか結構ジェットコースター的な展開と情報量。
 とりあえず最後まで読んでみて、もっかい最初から…というか、ラスト3作以前のものを読みたくなったなぁ…。なんせ最初の読んだの10年前やもんね…そら読み直さな、とも思うわ。そんな訳で折を見て初期作品を読み返そうかと思います。
 あと、割とどうでもいいけど著者の文体というか、情景の描き方というか、なんというか…初期の頃に「建築探偵の同人をやっている人へ」とあとがきで書いただけあるというか。うん、邪な想像をしやすい書き方をよく分かってらっしゃる…。1冊前ではそうは思わなかったんだけど今回はこれ、わざとか? わざとだよね? と思う下りがあったり…。

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